仏壇店の選び方

信頼できる仏壇店とは・仏事コーディネーターという資格

信頼できる仏壇店とは

お客様とお話をしていると、「お仏壇の選び方がわからない」という声をよく聞きます。もう少し詳しくお聞きすると、仏壇の値段の違いがわからない、と悩んでいるようです。
あなたも仏壇は、「大きい方が小さい方より高額で、なんとなく手の込んだ細工が施してあるように見える方が高額なんだろうな」と思っていませんか?
確かにそれは間違いではありませんが、仏壇の値段はそれだけで決まるものではありません。仏壇の値段には、木材の種類や表面材の使用工法の違い、職人の手間のかけ方が関係してきます。

最近では、フィルム加工や木目印刷の技術が進んで、人工的な素材がプロでも間違えるくらい美しくできるようになり、一目見ただけでは天然素材との見分けがつきにくくなりました。新品の仏壇で、どれが本物の銘木を使った仏壇か、木目が印刷してつくられた仏壇かを見分けるのはむずかしいものです。
こうした工法で作られた低価格のお仏壇が中国から輸入され、日本国内で大量に流通しはじめています。
別に安い仏壇を購入することが、悪いわけではありません。
ただ、中国製の低価格のものは、どうしても傷みやすく修復ができないこともあることを知ったうえで購入しないと、後悔することになりかねません。
仏壇は消耗品ではありません。一生に一度の買い物をするのですから、信頼できる仏壇店で購入したいものです。

それでは信頼できるお店を見つけるには、どうしたらよいでしょうか?
まず、店に入ったとき、良い感じかどうかが大切なポイントのひとつです。入った雰囲気が良い、店員の対応が良い店がいいでしょう。そして、面倒くさがらずに、少なくとも仏壇店を3軒は見て回るとよいでしょう。必ず大きいお店と小さいお店の両方をご覧になるとよいでしょう。信頼できるお店は、規模には関係ないものです。大きくて有名なお店が必ずしも良いとは限りませんし、小さくて無名であっても満足できるお店はたくさんあるのです。良いお店に共通していることは細やかな気配りがあり、誠実な対応をしてくれることです。

次に、店員が仏壇の製法の違い、宗派や宗派によって違う仏具のことなど幅広い知識を持っていると安心できます。納得いくまで仏壇を見せてくれることも大切です。また、むやみに高い仏壇をすすめるのではなく、自分の予算に見合った仏壇をすすめてくれるなど、細やかな気配りがあり、誠実に対応してくれる店が良い仏壇店といえるでしょう。仏壇は普通の品物と違って、長い年数お使いいただくものです。何年たってもアフターサービスをきちんとしてくれる、信頼できる仏壇店で購入することが大切です。
最近は仏壇店には豊富な知識を持った、仏事コーディネーターがいます。仏事コーディネーターのいる店を選ぶことも仏壇店選びの重要なポイントです。
何軒もお店を移動するのが大変だ、とお考えの方は、東京の浅草仏壇通りに行かれてみたらどうでしょう。50軒の仏壇店が軒を連ねていますので、見て回るのにとても便利です。
あなたも3軒回れば、仏壇や仏壇店の見分け方がわかってきます。そのなかで、気に入った仏壇に出会えるはずです。

仏事コーディネーターという資格

2004年にスタートした「仏事コーディネーター」という資格は、仏事コーディネーター資格審査協会(後援・全日本宗教用具協同組合)が与える資格です。仏壇店などで働く人たちが仏壇・仏具に関する豊富な知識を持つとともに、消費者のことを考えて販売し、嘘偽りのない説明をする店員を養成することを目的としています。
仏事コーディネーターは仏壇・仏具の意味、歴史性、素材、技法、デザインだけではなく、仏事の意味やしきたりに精通している店員で、消費者に仏壇・仏具の持つ価値を適切に説明でき、アドバイスできる販売員です。
仏事コーディネーターがいる仏壇店を選ぶのも、店選びのひとつのポイントです。