仏壇の品質表示

唐木仏壇の品質表示

唐木仏壇の正面表面材に関する表示

「木材」と「加工」の区分を組み合わせて、台輪(上台輪も含む)、戸板、大戸軸ごとに正面表面材を表示するものとする。

※木材の( )内は通称又は商業名 
区分(表示用語) 内容 ※木材の( )内は通称又は商業名
木材 本黒檀 Diospyros ebenum(インド黒檀、真黒)
Diospyros celebica(縞黒檀、スラウェシ黒檀)
黒檀 Diospyros celebica(カリマンタン黒檀、アマラ黒檀、マルク黒檀)
本紫檀 Dalbergia cochinchinensis(パイオン)
Dalbergia retusa(ココボロ)
Dalbergia latifolia(インドローズ)
紫檀 Dalbergia stevensonii(ホンジュラスローズ)
Dalbergia oliveri(チンチャン)
紫檀(ソノケリン) Dalbergia latifolia(植林)(ソノケリン)
通称又は紫檀系(通称)
例 パーロッサ又は
紫檀系(パーロッサ)
Machaerium scleroxylon(パープル、ボリビアンローズウッド)
Platymiscium pinnatum(グラナディロ)
Guibourtia madagasearensis(パーロッサ)
本鉄刀木、本タガヤサン 本鉄刀木、紫鉄刀木
鉄刀木、タガヤサン ウエンジ
内容欄に掲げる
木材の名称
屋久杉、黒柿、シャム柿、カリン、欅・ケヤキ、櫤・タモ、楡・ニレ、
黄檗・キハダ、栓・セン、栴檀・センダン、槐・エンジュ、黄王檀・
キオウタン、桑・クワ、桜、胡桃、桐、檜、竹、その他の木材
区分(表示用語) 内容 ※木材の( )内は通称又は商業名
加工 無垢 無垢板のみのもの。無垢板を寄木にしたものを含む。
厚板貼り 木材の無垢板(3ミリメートル以上の厚さの板)を芯材に貼ったもの
薄板貼り 木材の突板(0.1〜0.8ミリメートル程度の薄さの板)を芯材に貼ったもの
調プリント 芯材に木材の模様を直接印刷したもの又は印刷したシートを貼り付けたもの
調着色 芯材に木材の色を着色したもの

※ 「木材」については、表示用語、通称のいずれを表示してもよい。
※ 「加工」がプリント、着色の場合は、「木材」は黒檀、紫檀、鉄刀木、木材の名称との組合せで表示するものとする。(例:「黒檀調プリント」、「紫檀調着色」)
※ カリン(Pterocarpus属の木材)については、紫檀とも表示できる。

《黒檀・紫檀などの唐木の表示用語分類について》

公正競争規約における黒檀・紫檀など唐木材料の表示用語分類については、明治45年に農商務省山林局が発刊した「木材ノ工芸的利用」、唐木材の8割が流通する中国が定めた「国標紅木5属8類33種木材(国家質量技術監督局2000年8月1日宣布)」、及び現在流通する唐木材の価格を基準として定めている。

《黒檀の表示用語と分類》

伝統的に「黒檀」として取引されている樹木は、学名では「Diospyros(ディオスピロス)」カキノキ科カキノキ属の樹木で、世界中で約480種があり、種の違いや土地・気候条件によって樹木としての材質がことなる。このうち黒い縞模様の美しい特定の産地の樹木を総称して「黒檀」と呼び、我が国では古くから家具や工芸品の材料として珍重されてきた。戦前には、インド、スリランカ産のものがもっとも高級な「本黒檀」とされ、インドネシア スラウェシ島産のものは「新黒檀」などと呼ばれていた。しかし、希少価値が高まるにつれて、戦後には縞模様の美しいスラウェシ島産が「本黒檀」とされ、インドネシアの他の島のものも黒檀として流通するようになっている。

《紫檀の表示用語と分類》

伝統的に「紫檀」として取引されている樹木は、赤みを帯びた木肌で黒っぽい縞模様、油分を多く含むため磨くと美しい光沢がでる。また重量が大きく水に沈むという特徴がある。我が国では正倉院御物にある工芸品で多く見られ、古くから珍重されてきた。
古くから工芸材料として使われてきた「紫檀」は、学名ではマメ科ツルサイカチ属(Dalbergia・ダルベルギア)の樹木であるが、日本では、明治45年に農商務省山林局が発刊した「木材ノ工芸的利用」以降、紫檀の範囲を公的に明確化したことがない。このため、近年流通している銘木のうち、何が紫檀に該当するかについて、現状、権威あるルールはないと考えられる。
これまで仏壇業界において「本紫檀」とされてきたのはタイやラオスの「パイオン」等であるが、「本紫檀」は希少材であることから、紫檀系の樹木として同じ「Dalbergia」に属するタイ産の「チンチャン」やインドネシアで植林した「ソノケリン」が紫檀や紫檀代替材として流通している。
さらに、マメ科で属が異なるが紫檀と似た木肌を持つものとして、中南米産の「グラネディロ」「パープル」、アフリカ産の「ブビンガ」「パーロッサ」などを紫檀替材として使われている場合もある。しかし、「グラネディロ」「パープル」「ブビンガ」「パーロッサ」は、本紫檀が属する「Dalbergia(マメ科ツルサイカチ属)」ではない。
現在、唐木材料の8割が中国で流通しているが、中国でも唐木分類は曖昧であったことから市場での混乱があり、国家質量技術監督局が2000年に「紅木国家標準」を施行し「紅木5属8類33種」として唐木分類の基準として広く用いられるようになった。
紫檀の分類にあたっては、学術分類、「木材ノ工芸的利用」「紅木5属8類33種」、そして現在流通している市場価格を参考にして「本紫檀」「紫檀」「通称または紫檀系」などの表示用語分類を決定した。

表示用語「本黒檀」

インド黒檀【Indian ebony】

カキノキ科の樹木。真黒。インドとスリランカ(セイロン)で産出される黒檀。戦前まで黒檀と言えばインド黒檀・スリランカ(セイロン)黒檀が本黒檀であり、スラウェシ島産出の縞黒檀は「新黒檀」などと呼ばれていた。学名はディオスピロス・エベナム(Diospyros ebenum)。

【縞黒檀】

カキノキ科の樹木。業界での本黒檀であり、スラウェシ島中部で産出する黒檀のこと。黒を基調として美しい縞模様を有する。マカッサルエボニーとも呼ばれる。学名はディオスピロス・セレビカ(Diospyros celebica)。
縞黒檀の産出地は中部スラウェシであり、パルから南に伸びる山脈に黒檀は自生し、山脈の西側の縞黒檀の木目は緻密で、東側の木目は粗い。

表示用語「黒檀」

カリマンタン黒檀【Kalimantan ebony】

カキノキ科の樹木。主にインドネシア・カリマンタン島で産出される黒檀のこと。最近では黒檀仏壇の部材としても用いられる。スラウェシ島産出の縞黒檀と比較すると縞目の間隔が大きく、導管が粗くなる。

アマラ黒檀【Amara ebony】

俗称アマラ。インドネシア・スラウェシ島で産出される黒檀。縞黒檀に比較すると縞目の間隔が大きく、黒色と淡赤色の帯が波を打ったような木目であり、比重は縞黒檀より若干軽いとされる。アマラという名称は現地名である。

マルク黒檀【Maluku ebony】

スラウェシ島東部に位置するマルク諸島で産出される黒檀。

表示用語「本紫檀」

【パイオン】

マメ科の樹木。伝統的な工芸材料としての本紫檀。産地はタイ・ラオス。学名はダルベルギア・コキンキネンシス(Dalbergia cochinchinchinensis)。唐木仏壇・唐木仏具の主要材料。

ココボロ【Cocobolo】

マメ科の樹木。メキシコ、パナマ、コスタリカ、コロンビアなど中米で産出される。樹脂分が多く、磨くと光沢が出る。学名はダルベルギア・レトゥサ(Dalbergia retusa)。

インドローズ【Indian rosewood】

マメ科の樹木。学名はダルベルギア・ラティフォリア(Dalbergia latifolia)。インド南部で産出される。インディアン・ローズウッドをインドネシアで植林育成したものがソノケリンである。

表示用語「紫檀」

ホンジュラス・ローズウッド【Honduras rosewood】

マメ科の樹木。ホンジュラス、コスタリカ、グアテマラ、メキシコなど中米で産出される。学名はダルベルギア・ステベンソニイ(Dabergia stevensonii)。

チンチャン【Chingchan】

マメ科の樹木。産地はタイ・ビルマ。手違い紫檀のことをチンチャンと呼ぶ。本紫檀と似た材料であり、紫檀がそうであるようにその正体については諸説がある。本紫檀に比較すると経年変化の中で白茶けてくると言われる。
学名はダルベルギア・オリヴェリ(Dabergia oliveri)。

表示用語「紫檀(ソノケリン)」

ソノケリン【Sonokeling】

マメ科の樹木。インディアン・ローズウッドの種をインドネシアで育てたもの。インドネシアは高温多湿のため成長が早いが、目が粗い。インドネシアがオランダに統治されていた時代から植林が始まり、年代を経たものには良材が多い。学名はダルベルギア・ラティフォリア(Dabergia latifolia)。

表示用語「通称または紫檀系(通称)」

パープル・ボリビアンローズウッド【Purple・Boribian rosewood】

マメ科の樹木。南米ボリビアで産出される。学名はマカエリウム・スクルロクシロン(Machaerium scleroxylon)。

グラナディロ【Granadillo】

マメ科の樹木。中米ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマから南米コロンビアで産出される。学名プラティミスキウム・ピンナタム(Platymiscium pinnatum)。

ブビンガ【Bubinga】

マメ科の樹木。赤道アフリカで産出される。紫檀・欅の代用材として用いられる他、第一級の大径木であることを生かして、大型和太鼓の胴にも用いられる。学名はグイボウルティア・ペレグリニアナ(Guibourtia pellegriniana)。

パーロッサ【Paorosa】

マメ科の樹木。パオロッサ、パオローサとも呼称される。樹高30m、直径90cmに達するものもあるが、産出量は減っている。主要産出国はモザンビークなど。パーロッサとは「赤い木」という意味。濃赤色の木肌を持つ。学名はスワルティジア・アダガゼアレンシス(Swartizia adagasearensis)。

表示用語「紫檀と表示できる唐木材料」

かりん【花梨】

マメ科の樹木。代表的な唐木材のひとつ。タイ・ミャンマーで産出される。芯材は紅褐色〜帯桃暗褐色であるが材料によっては黄赤色、金褐色。学名はプテロカルプス マルカロカルプス クルズ(Pterocarpus macarocarpus Kurz)。カリン(Pterocarpus属)の木材については紫檀と表示できる。

表示用語「本鉄刀木」「本タガヤサン」

たがやさん【鉄刀木】

マメ科Cassia属の広葉樹。代表的な唐木材のひとつであり、東南アジアで産出される伝統的な唐木素材。柾目材として使う時に、鉄刀木ならではの美しい斑模様がでる。芯材は紫黒色・黒褐色。学名はカッシア シアメア(Cassia siamea)。

むらさきたがやさん【紫鉄刀木】

マメ科Milletia属の広葉樹。東南アジアで産出される伝統的な唐木素材。学名ミレシア ペンドゥラ(Milletia pendula)。

表示用語「鉄刀木」「タガヤサン」

ウエンジ【Uenji】

マメ科の樹木。ザイール・カメルーン・ガボン・コンゴなどのアフリカ諸国で産出される。鉄刀木と似た木目を持つ。学名はミレシア ローレンティ(Milletia laurentii)。

表示用語「表記の木材の名称」

やくすぎ【屋久杉】

スギ科の樹木。鹿児島県屋久島に自生している1000年以上の杉のこと。世界自然遺産にも指定されている。屋久杉の最も古いものは樹齢3000年を越えている。樹霊1000年以下のものは「小杉」と呼ばれる。人工的に植林されたものは樹齢100年以下のものしかないと言われる。銘木として使われるようになったのは江戸時代からである。屋久杉の材幹は濃茶色で独特の芳香がある。仏壇に使われる材料としては最も香り高い材料であると言える。樹齢1000年以上の屋久杉には如輪杢、鶉杢、笹杢などの杢がある。油分が多いために倒木も腐らず、土埋木として利用されるものも多い。

くろがき【黒柿】

カキノキ科の樹木。日本や中国で産出される黒い縞木目を持つ柿の木のこと。学名はディオピロス・カキ(Diospyros kaki)。

しゃむがき【シャム柿】

ムラサキ科の樹木。ジリコチ(Ziricote)のこと。ゼリコーテとも呼ばれる。深みのある暗褐色で、黒柿の代用材としても用いられる。メキシコ南部・グアテマラなどの中南米で産出。輸入業者がシャム柿と名付けたという説が一般的である。学名はコルディア・ドデカンデラ(Cordia dodecandra)。コルディアはカキバチシャノキ属のことで、世界の熱帯・亜熱帯に250種以上がある。

けやき【欅】

ニレ科ケヤキ属の樹木。北海道を除く日本、台湾、中国で産出される。日本の代表的な銘木のひとつで、広葉樹の中の良材のひとつである。国内では福島県会津地方、山形県、岩手県などの東北、長野県、静岡県、宮崎県が欅の良材産出地として知られてきた。欅は高さが35mにもなり国内には樹齢1000年を越える欅もある。樹齢が数百年を越える欅材には独特の杢が現れ、欅材の場合は、如輪杢、玉杢、鶉杢、牡丹杢などと呼ばれる杢が知られている。欅の辺材は淡い黄褐色、芯材は黄味がかった褐色から紅褐色を特徴としている。
欅は奈良時代には寺院建築部材として使われ、平安時代には一木彫仏像の材料として使われるなど、用材としての歴史は古く、社寺建築の構造材、欄間彫刻には欠かせない材料である。
仏壇の材料としては東京唐木仏壇、会津仏壇の主要材料であり、静岡・徳島の唐木仏壇産地でも使われる。寺院仏具、神棚、太鼓の材料としても使われる。

たも【櫤】

モクセイ科トネリコ属ヤチダモの樹木。英名ではJapanese ash(ジャパニーズ・アッシュ)。日本、中国で産出される。日本では北海道が主産地。

にれ【楡】

ニレ科ニレ属の樹木。日本・中国で産出される。芯材は暗褐色、辺材は褐色を帯びた灰白色。欅の代用品として用いられるが、欅に比較すると柔らかい。ニレケヤキという呼称は銘木業界でも使われる。

きはだ【黄檗】

ミカン科キハダ属の樹木。日本・朝鮮半島・中国で産出され、北海道で多く産出されてきた。別名「しころ」。辺材は淡い黄白色、芯材は緑色を帯びた黄褐色。欅や桑、栗の代用材として用いられることがある。黄檗は飛鳥時代から染料として知られ、樹皮から採れる生薬は黄檗(おうばく)と呼ばれ健胃作用がある。

せん【栓】

ウコギ科はりぎり属の樹木。日本・朝鮮半島・中国で産出される。国内では北海道から九州まで広く分布するが、国内では北海道が栓の産地として知られてきた。辺材は淡黄色、芯材は淡灰褐色。欅によく似た木目を持ち、太鼓胴や賽銭箱の材料としても使われる。日本では北海道で多く成育する。欅の代用材としても使われるが、材料としての色目などは全く異なる。欅と木目が似ているが、材料としての色は欅の方が赤味が強く、栓はむしろホワイトアッシュに似ている。欅の代用材として使われる場合には着色の上で使われる。

せんだん【栴檀】

センダン科センダン属の樹木。本州から沖縄、朝鮮半島、中国で産出される。芯材は淡黄褐色、辺材は黄白色で狭い。木目は欅に似ている。

えんじゅ【槐】

マメ科エンジュ属の樹木。唐木仏壇の材料のひとつ。原産国は中国中北部。国内では主に北海道で産出される。関東以北の農家では古くから鬼門除けとして植栽されてきた。槐は明治以前から床柱などに使われると同時に、置棚・本棚・机・卓などの指物工芸材料としても使われてきた。また「延寿」という文字が当てられることで、長寿安産を祈る素材となる。

きおうたん【黄王檀】

ムラサキ科の樹木。メキシコなど中南米で産出されるボコーテが黄王檀である。鮮黄色に黒の模様が入った材料。学名はコルディア・ジャラスカントゥス(Cordia gerascanthus)。

くわ【桑】

クワ科のクワ属の樹木。桑は国内では北海道から九州に至るまで自生しているが、銘木として知られるのは伊豆諸島の御蔵島や三宅島で産出される「島桑」である。学名はMorus kagayamaeで、八丈桑とも呼ばれる。島桑は緻密な年輪と美しい木目のあることで知られており、江戸時代から江戸指物の材料として使われ、茶道具の材料としても使われる。この他、工芸材料として用いられるのは山桑であり、中国地方と一部の九州地方の山中で自生する。島桑と並んで山桑も人気が高く、60cmを越える大径材は希少材である。

さくら【桜】

バラ科のサクラ属の樹木。日本の花でもあり春に花を咲かせる。工芸品として使われる桜は山桜であり、これは堅さが均一で材質が密で強靭である。色は淡褐色で古い木になると淡青色の縞模様のような筋ができる。

くるみ【胡桃】

クルミ科クルミ属の樹木。サハリン、北海道から九州に分布。仏壇に使われる国内材としてのクルミは鬼胡桃を指す。辺材は灰白色、芯材はくすんだ淡い褐色〜黄褐色。北米で産出される胡桃はウォールナットと呼ばれる。

きり【桐】

ゴマノハグサ科キリ属の樹木。日本では北海道以南、東北、北関東、新潟、広島、岡山などが桐の生産地であり、中国からの輸入桐も多い。桐は国産材としては比重が最も軽く、湿気を通さず、割れや狂いも少ないという特徴を持つ。以前は仏壇の引き出しの部材として使われることが多かったが、現在では桐製の仏壇も作られている。

唐木仏壇の表面仕上げに関する表示

区分(表示用語) 内容
漆仕上げ 漆を塗って仕上げたもの
(相当量の漆を配合した塗料を用いたものに限る)
カシュー仕上げ・(植物性)合成漆 カシューかく油等を樹脂化した塗料で仕上げたもの
ウレタン仕上げ ポリウレタン樹脂塗料で仕上げたもの
セルロースラッカー仕上げ セルロースラッカー塗料で仕上げたもの
ポリエステル仕上げ ポリエステル樹脂塗料で仕上げたもの
オイル仕上げ 油性塗料を含浸させて仕上げたもの
うるし【漆】

漆樹の幹に傷をつけた時、そこからにじみでた樹液のことを漆という。樹液そのものは乳白色であるが、空気に触れると褐色に変化する。樹液は日本・中国・台湾をはじめ、ベトナム・ミャンマー・カンボジア・タイなどの東南アジアに分布し、それらの国で漆が産出される。6月から9月末までにかけて、樹液の幹から掻き取られる漆液のことを辺漆と呼び、その中でも7月中旬から9月上旬の暑い時期に掻いた漆は、盛り辺・盛り物と呼ばれ、上質の漆が採取できる。漆の成分は、ウルシオール(60%〜80%)・水分(10%〜30%)・ゴム質(3%〜8%)・含窒素物(1%〜3%)であり、主成分のウルシオールが多いほど良質の漆とされる。
日本の漆と中国の漆はウルシオールを主成分とするが、ベトナム・台湾産の漆はラッコールが主成分、タイ・ミャンマーの漆はチチオールを主成分とする。

【カシュー樹脂塗料】

カシュー・ナッツ(Cashew nut)から採取されるカシューかく油(殻油)等を樹脂化した塗料。合成漆のこと。
カシュー樹脂塗料の塗膜や性能はほとんど漆と変わるところがないが、漆は乾燥させるにあたり湿気を必要とするのに対して、カシュー樹脂塗料は自然乾燥、または加熱乾燥によって乾燥される。漆に対して低価格である上に、漆のようなかぶれがなく、また吹き付け塗装が可能であることなどから、仏壇・仏具の量産化に大きく寄与してきた。
塗料としては上塗り、中塗り、下地用など多岐に亘る製品があり、最近では硬化剤により主剤を硬化させる2液型カシュー樹脂塗料が金仏壇の仕上げ塗料として多用されるようになった。
カシュー・ナット・シェル・オイルの主成分として含まれるカードールとアナカルド酸のうち、カードールは漆の主成分であるウルシオールとその化学構造がきわめて良く似ており、このことが漆に代わる塗料として使用される理由である。
カシューナットが採れるカシュー樹はウルシ科の樹木であり学名アナカルディウム(Anacardium)、南米大陸・西インド諸島各域を主な原産地常緑高木であり、現在ではベトナム・インド・ブラジル・ナイジェリア・中国(海南島)等が主要産地となっている。カシュー・ナットは(俗にカシュー・ナッツと呼ばれる)核の部分と殻の部分からなり、核の部分はピーナッツなどと並び人気の高い食品である。

【ポリウレタン樹脂塗料】

ウレタン仕上げと呼ばれる場合はポリウレタン樹脂塗料での仕上げである。ポリエステル樹脂塗料に比較すると薄い塗膜でありながら、高い硬度を特徴とし、耐光性(紫外線による変化に対する強さ)に優れている。ポリウレタン樹脂塗料の大半は2液型(主剤と硬化剤)であり、主剤と硬化剤が化学反応することでポリウレタン樹脂となる。ポリウレタン樹脂は塗装作業性が高く硬度も高い。下地塗料、中塗り塗料、上塗り塗料とそれぞれに使われる。

【セルロースラッカー】

塗料のひとつ。一般的にはNCラッカー(ニトロセルロースラッカー・硝化綿ラッカー)のこと。速乾性で作業性能が高いが、肉持ちは薄い。

【ポリエステル樹脂塗料】

不飽和ポリエステル樹脂塗料のこと。業界内では「ポリ」と通称されることもある。唐木仏壇の厚塗り塗装の場合には2液型のポリエステル樹脂塗料が使われる。ポリエステル樹脂塗料は塗装面の肉持ちがよく、透明度が高く、光沢度も高い。木工用として用いられる不飽和ポリエステル樹脂塗料の大半は微量のワックスを添加することで硬化障害を防ぐ。仏壇表面をポリエステル樹脂塗料で仕上げることをポリエステル仕上げと呼ぶ。

【オイル仕上げ】

植物性油を主材とした塗料のこと。塗膜を作ることよりも、素材に塗料を浸透させ、木質感を美しく表現する塗装方法。植物性油には、あまに油・きり油(乾性油)、大豆油・綿実油(半乾性油)、ひまし油・やし油(不乾性油)がある。

唐木仏壇の主芯材に関する表示

区分(表示用語) 材料
天然木材 天然木
天然合板 ラワンベニヤ
シナベニヤ
その他木合板
木質繊維板 MDF
その他繊維板

※ 表示用語、材料のいずれを表示してもよい。

表示用語「天然合板」

らわんべにや【ラワンベニヤ】

合板の一種で、基材がラワン系の南洋材で作られているもの。

しなべにや【シナベニヤ】

合板の表面をシナの単板を貼ったもの。含水率が低く膨張・収縮が低く、シナの単板を貼るために作業性能が高い。

表示用語「木質繊維板」

エム・ディー・エフ【MDF】

木材チップの繊維を主原料としてそこに合成樹脂を加えて成型したものを繊維板(ファイバー・ボード)と呼ぶ。いわゆる「ボード」であるが、このうち中質繊維板のことをMDF(ミディアム・デンシティー・ファイバーボード)と呼んでいる。

唐木仏壇の原産国に関する表示

区分(表示用語) 内容
国産 又は 日本 主材料及び芯材の原産国にかかわらず、製造工程(木地、彫刻、宮殿、塗り、
組立・仕上げの5工程をいう。)のうち、木地、塗り、組立・仕上げの全てが
日本で施工されているもののほか、組立・仕上げの工程が日本で施工され、
他の4工程の一部が日本で施工されることにより、付加価値の過半が日本で
施工されたと認められるものであって、公正取引委員会及び消費者庁長官の
承認による運用要領に定めるもの。
海外 上記以外のもの

※ 「海外」と表示すべきもののうち、組立・仕上げが日本で施工されたもの(キズの修理、検品、又は部分的な組立のみを日本で施工したものを除く。)には、「海外(国内組立品又は、日本組立品)」と表示できる。
※ 「海外」と表示すべきもののうち、海外のどの国で施工されたか明らかなものは、海外の国又は地域の名称を表示することができるものとする。
※ 製造工程ごとに施工された国又は地域の名称を表示することができる。