仏壇店の選び方

お悔やみ営業・仏壇店の見分け方

気をつけたい「お悔やみ営業」

「お悔やみ営業」をご存知ですか。これはお通夜や葬儀が終わった直後に、仏壇や墓石、香典返しの営業をすることです。
数年前に「遺族の悲しみかまわぬ商魂」という投書が新聞に掲載されたことがあります。その内容は次のようなものでした。

「1月23日、食道ガンと半年闘った夫が黄泉の国へ旅立ちました。翌日から、お墓の売り込み、贈答品業者、仏壇店、百貨店のご進物相談係の来訪が相次ぎました。分厚いカタログを送りつけてくる、その種の業者の商魂には、すさまじいものがありました。悲しみに浸る間もなく、あまりの電話攻勢に娘と二人、疲れ果ててしまいました。
夫の遺言で、密葬にしたにもかかわらずです。
業者さんたち、いい加減にして下さい。少しは遺族の悲しみの心を思いやってください。商魂ばかりが先立つ商売のやり方を反省して下さい」

また、次のような意見も寄せられています。

「母の告別式の翌日、悲しみの中、仏壇業者が3社もきました。無神経もさることながら仏壇業界の姿勢に不信を感じました」

「お線香をあげさせて下さいと言って訪問して来たので、夫が生前お世話になった方だと思ったら、仏壇の売り込みだったので、びっくりしました。人をだますような営業はやめて下さい」

こんな声に接するたびに、一般の仏壇業者は心を痛めています。仏壇・仏具の販売は、単にものを売るだけではなく、お客様の人生に深く関わりをもつ仕事です。身近な人が亡くなったお客様の、悲しみに寄り添う気持ちが大切なのです。

しかし、お悔やみ営業をする業者は、不幸のあった家庭にあの手この手で営業攻勢をかけていきます。よく考えれば、これほど非常識で無神経な営業はありません。家族が悲しみに暮れているときに、勝手にカタログを送ったり電話をする。あるいは、お悔やみのふりをして訪問販売する業者もいます。なかには般若心経をあげる営業マンもいるそうです。

「私たちも商売ですから」と言い訳する人もいますが、商売ならば何をしても許されるのでしょうか。

怖いことに個人情報保護法ができた後も、家族が知らないうちにご不幸の情報が業者に流れています。心の安らぎを与えるのが仕事の仏壇業界に、家族の気持ちを無視して、個人情報を営業に利用している業者がいることに心を痛めます。

葬儀の後は、会葬者やお手伝いの人にいろいろ気を使い、疲れきっているのが普通です。そんな営業にいちいち相手をしていたら、ノイローゼになってしまいます。
少しでも相手をすると、次から次へと営業攻勢をかけてきますので、きっぱりと断ることが大切です。

激安仏壇、仏壇の在庫処分のカラクリ

新聞に「激安、在庫処分」と目立つように印刷されたチラシが入ってくることがよくあります。商品は羽毛ふとんから家具、ブランド品なんでもあります。そのなかに仏壇もあります。地域の集会所を借りて、1週間ほどの短期間で販売するものです。
チラシには「44万円を→22万円」「56万円を→28万円」、「しかも、仏具一式付き、お位牌付き」などと書いてあります。一瞬、半額になっている、安い、と感じることでしょう。

しかし、こうした価格の表示の仕方には裏があります。良いものが半額になっていると錯覚させる表示の方法です。これが普段、見慣れているブランドのバッグや靴なら、安い価格はコピー品と気づくことができますが、普段、見慣れていない仏壇だと、良い仏壇なのか粗悪品なのかわからないので、信じてしまいがちです。
半額表示で、1週間くらいの短期間で売る商品はまず、疑ってみることです。仏壇は一生に一度の買い物ですから、しっかりとアフターサービスをしてくれる仏壇を選ぶことです。売りっぱなしの特売では、アフターサービスが受けられないと考えてよいでしょう。

百貨店・デパートの仏壇売り場

百貨店やデパートには、よく家具売り場に隣接して仏壇仏具の売り場が設けてあります。
こうした仏壇仏具の売り場は百貨店自身が直接担当していることは少なく、たいてい地元の仏壇店が商品も販売員も派遣して運営しています。納入業者は当然売上の中から、場所代の分を百貨店に納めなければなりませんので、定価を高く設定せざるを得ません。
高いのを承知で百貨店に行かれる方は、よく専門店と価格を比較してから購入することが大切です。