仏壇の購入前知っておきたいこと

仏壇の置き方・向き・位置寸法

仏壇の置き方

仏壇を購入する前に、仏壇を安置する場所を決めましょう。かつては、たいていの家に仏間があったので、安置する場所を考える必要はありませんでした。しかし、仏間のない家がほとんどとなりました。最近では洋室中心で和室のない家など、さまざまなタイプの間取りが多くなったので、仏壇を置く場所を考えなければならなくなったのです。
仏壇を安置する向きは、仏教では十方どの方角にも仏はいるとされているので、方角に吉凶はありません。が、一般的には北向きは避けて置きます。
家のなかで、落ち着いて礼拝でき、家族が毎日おまいりしやすい場所が一番適しています。家族が集まりやすいリビングや居間でもよいでしょう。

仏壇のことを考えますと、直射日光が当たらない、湿気の少ないところで、冷暖房の風が直接あたらない場所がよいでしょう。直射日光や湿気、冷暖房の風は仏壇を傷めるのです。
床の間や押入れの上部、整理タンスの上、キャビネットや収納棚などの上に置いてもかまいません。テレビやオーディオラックの上など、音がするものの上には置かないようにしましょう。また、仏壇の上に何も置かないようにしましょう。
もうひとつ、気をつけることは、仏壇の高さです。椅子や座布団に座っておまいりするとき、本尊の位置が目より少し上になるように安置することです。立っておまいりするときは、本尊が胸よりも少し上くらいの位置になるように安置します。

  • キャビネットの上
  • リビング
  • 押入れの上部
  • 地袋付仏間
  • 畳の和室
  • 床の間

仏壇の向き

仏は十方どの方角にもいるので、仏壇はどの方角に安置してもよいのですが、昔から仏壇の向きには諸説あります。

南面北座説
仏壇を南に向け、北を背にして仏壇を安置する考え方です。この向きは仏壇に直射日光があたらず、風通しもよいので、家のなかで最適な仏壇の安置場所になります。ここから、仏壇の北向きはよくない、と言われるようになったようです。
本山中心説
仏壇の前に座って礼拝するとき、拝む延長線上に宗派の総本山がある方向に安置します。本山によって、住む場所によって、西向きにも東向きにも南向きにもなります。
西方浄土説
西方浄土とは極楽浄土のことで、西方浄土の方向にある西に向かって拝めるように、仏壇を東向きに安置します。

どの説をとるかで、仏壇を安置する方向が決まりますが、どの方向にもなりうるので、仏壇はどの方向に安置してもかまわないのです。

仏壇の位置寸法

仏壇の安置場所を決めたら、どのくらいの大きさの仏壇にするかを決めます。
まず、安置する場所の寸法をはかりましょう。高さ、幅、奥行きなどをきちんとはかります。チェストや整理タンスの上ならば、問題はありませんが、仏間や押入れの上部に安置するときは、気をつけてください。仏壇の扉は観音開きで両側に開きますので、本体の寸法だけではなく、扉が左右に開くスペースも考えて、仏壇の大きさを考えましょう。

家の新築にあわせて仏壇を購入するときは、先に仏壇を決めてから、仏壇のサイズに合った仏間やスペースをつくったほうが納まりがよいです。
忘れがちなのが、マンションの玄関や部屋の入り口の大きさです。部屋に適した大きな仏壇を選んだものの、部屋の入り口が狭くて入らなかった、ということにならないように、玄関や部屋の入り口の寸法もきちんとはかっておきましょう。